火曜日, 8月 19, 2008

『バス通り裏』の元子さん

その昔『バス通り裏』というテレビドラマがNHKにあった。放映開始は1958年4月7日で、終了は1963年3月30日。放送時間は平日の19時15分からの15分間。夜7時のニュースのあとの生放送(当時はVTRなどなかった)だった。

下町商店街のバス通り裏に住む高校教師の赤沢家(小栗一也と織賀邦江)と、その向かいにある美容院の川田家(露原千草と武内文平)を中心に、近隣の商店街の日常生活を描いた明るいホームドラマで、朝の連続テレビ小説の原点となったとも言われる作品である。

この番組からは川田家の娘・元子役を演じた十朱幸代、その友達役を演じた岩下志麻、赤沢家の居候の五郎役を演じた佐藤英夫の3人がデビューして、後に人気者になった。他にも、宗方勝巳、田中邦衛、米倉斉加年、荒木一郎などが出演して、番組は若手俳優の登竜門的存在でもあった。

それにしても、この番組での十朱幸代が演じた元子さんは明るく溌剌としていた。「当時は私自身が女学生でしたから、学校の帰りにスタジオに行っていた。アルバイトして楽しんで通っているみたい。町で “元子さん” と呼ばれるのが嬉しかったですね」(テレビドラマ全史より)彼女の元気な姿を見ることが私も楽しみだった。そして、この番組が私をテレビドラマ好きにしたのかもしれない。しかし、それからしばらくして元子という名の子に恋するとは思わなかった。(笑)

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