木曜日, 9月 15, 2011

被災地を訪れて(その3) 〜聞くと見るとでは大違い。百聞は一見に如かず〜

今回の被災地訪問最大の目的は“観光”であった。観光といっても物見遊山で被災地を観光するのではなく、被災地に観光客が訪れる土壌があるのかどうかを実際の目で見極めたかったのである。私は長い間ガイドブックや旅行雑誌の執筆・編集を行っていたので、この分野においてはプロである。そのプロの目から見て、被災地への観光が可能かどうかをどうしても知りたかった。

というのも、ボランティアをしている人たちは若い人が多く、そのほとんどが深夜バスやチャーターバスで来て宿泊もすることなく帰ってしまう。これではボランティアは肉体的および精神的貢献はできても、経済的貢献ができていないのが現実である。彼らは食事もコンビニ弁当で済ませたり、お土産を買う財力も十二分にない。これでは残念ながら被災地に経済効果はなかなか生まれない。ならば、お金と時間を十二分にもっている年配の人たちに被災地に来てもらうしかないのだ。

私は以前より復旧復興には観光客は絶対欠かせないと思っている。観光客が訪れることによってどれだけの経済効果が表れ、そのことが雇用の促進に繋がっていくかは正直解らない。しかし、現在の被災地はどこもかも働き場所がなくて困っている。しかし少しでも観光客が訪れるようになれば、宿泊施設、お土産店、飲食店、コンビニ、宅配業者、タクシーなどで働く人にとっては朗報となり、もしかすると新たなる雇用が生まれる可能性もある。

東京都は9月17日から来年2月末まで東北3県(岩手、宮城、福島)を訪れる人に1日3,000円の補助金を出す制度を実施する。ただ、この制度は旅行会社を通さないといけないので、少し面倒であるが、私はこの制度を利用するしないに関わらず、多くの人が被災地へ行くことを望む。もちろん被災者の心情を理解しない物見遊山な観光は勘弁であるが、被災地の現状を見るということは大切なことであり、そのことによって支援の輪が広がることを願いたい。

で、被災地(釜石、大槌、陸前高田、気仙沼)を回って、私の結論としては釜石と気仙沼は十二分に観光客を受け入れる態勢ができつつあると判断した。

10月に入ると東北は紅葉シーズンに突入する。この時期に多くの観光客が東北を訪れるようになれば、経済の活性化がなされていくだろう。そのときに、できれば釜石や気仙沼などに直接足を運び、そこで地酒や海産物を買えばどれだけ地元の人は喜ぶであろうか。釜石ではすでにホテルサンルート釜石、ベイシティホテル、ホテルマルエ、陸中海岸グランドホテル別館などが仮オープンしているので宿泊することができる。。

今回の訪問で、私が被災地(ほとんどが釜石だが)に直接落としたお金は2泊分の宿泊費、日本酒「浜千鳥」1升瓶2本、釜石のお水「仙人秘水」1箱、日本酒「仙人郷」4合瓶4本、筋子、三陸昆布などお土産費、それに飲食費を加えるとおそらく総額で4万円ぐらいになるだろう。

こうしたお金が増えていくことが被災地の復旧復興に繋がっていくと信じている。とにかく多くの人が被災地を訪れて、その現実を直視すると共にその場で頑張っている人たちと触れ合って、支援の輪を広げていってもらいたい。(続く)

写真上:シープラザ釜石内のお土産店。釜石の銘酒「浜千鳥」そして「仙人郷」などがたくさん売られていました。
写真下:気仙沼漁港のそばにある「お魚いちば」。お昼どきということもあって観光バスが2台来て、結構賑わっていた。

東京都による「GO! TOHOKU 被災地応援ツアー」
http://tcvb.or.jp/ja/go_tohoku/index.html

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