月曜日, 11月 28, 2011

被災した酒造会社(蔵元)を支援しよう

東日本大震災で被災した酒造会社は数多い。そのせいもあってか、震災後全国各地で「東北のお酒を飲もう」というムーブメントが起こり、東北地方のお酒がどんどん売れる状態になった。実際に東北の多くの蔵元がこれまでにない売れ行きを示しているという。

ただ、語弊はあるかもしれないが、こうした風潮に便乗して儲けたメーカーも少なくない。しかし、今後は蔵が大きく破損したり、会社ごと津波に流されてしまったという甚大な被害を受けた蔵元を支援すべきまたは救済すべきではないだろうか。

マスコミの報道で多くの人は知っていると思うが、岩手県陸前高田市の『酔仙』や『雪っこ』を出している酔仙酒造と、岩手県大槌町で『浜娘』を出している赤武(あかぶ)酒造は、会社も蔵も何もかもが津波に流されて何も残っていない。また、宮城県大崎市の新澤醸造、宮城県名取市閖上の佐々木酒造、宮城県柴田郡の大沼酒造などは蔵が崩れたりして甚大な被害をうけた。そして、福島県双葉町の『白富士』の蔵元冨沢酒造は、原発から数キロ圏内にあることから、ここでの営業再開は絶対に無理で移転を余儀なくされている。

お酒好きの人、日本酒好きの人、日本酒党の人たちは今後はこうした蔵元を応援してほしいと思う。酔仙酒造は現在は一関市の千厩酒のくら交流施設内の酒蔵で操業して、10月に『雪っこ』を販売するまでになった。赤武酒造は盛岡市内の新事業創出支援センターの工場を利用して、リキュールの製造を行っている。また、冨沢酒造は会津若松市の花春酒造に間借りして新たな『白富士』の製造にとりかかっている。

ただ、これらの蔵元はいずれ新たな場所に工場を建設をしなければならない。そのためには何億の金がかかる。そのためにも、国などが助成金を出すのはもちろんのこと、お酒好きの人は直接支援を行うかファンドを使って支援をしていってもらいたい。お願いします。

酔仙酒造
http://suisenshuzo.jp/

赤武酒造
http://www.akabu1.com/

おいしい三陸応援団の赤武酒造支援のためのページ
http://oishiisanriku.com/akabu.html

株式会社 冨沢酒造店
http://ja-jp.facebook.com/hamanoshirafuji

菱屋酒造店
http://otokoyama.ftw.jp/

日曜日, 11月 27, 2011

釜石の無料情報誌『Re-born』vol.3を読む

昨日、釜石の無料情報誌『Re-born』Vol.3を東銀座「いわて銀河プラザ」で手に入れた。写真にあるようにモノトーンの表紙に写るおじさん2人の自然体がとてもいい。この雑誌のコンセプトである「勝ち負けなんてどうでもいい、笑っていけらばそれでいい」という笑顔と共に「俺たちは元気だぜ。簡単にはへこたれないよ。まだまだやることはいっぱいあるからな」と言われているようでもある。

この『Re-born』は国からの緊急雇用対策補助金を受けて、9月より釜石にあるoffice Rという会社が制作、釜石市内の全世帯に行政連絡員が届けている。ただ、この情報誌はその内容の濃密度や完成度から、釜石出身者もちろんのこと仕事や旅行で釜石を訪れた者(私もその1人)たちにも広く支持されている。

今号の特集は地域誌ならではの小さな集落に関するものだが、厳しい現実のなかでも前へ向いて歩いていく人々の姿を克明に伝えている。一方で、小学生が書いた津波体験記「たくさんありがとう」を読むとやはり胸がつまされる。

『Re-born』は補助金を受けている関係で、釜石市内だけを対象にした無料情報誌だが「三陸の今を発信する情報誌」でもある。これだけクオリティの高い情報誌なのだから、釜石だけでなくもう少し広い地域に向かって発信配布される情報誌に育ってもらえたらと思う。

地域再生へ向けての雑誌『Re-born』
http://k21komatsu.blogspot.com/2011/10/re-born.html

金曜日, 11月 25, 2011

被災地を訪れよう 〜観光“客”の必要性〜

これまでに何十万人というボランティアが被災地を訪れ、瓦礫処理、高圧洗浄、炊き出し、引っ越し手伝い、写真洗浄など数多くの作業をしてきた。しかし、彼らがいくら手間のかかる大変な仕事を汗だくになりながらこなしても、被災地での経済活動からは少し離れた存在でいる。

というのも、ボランティアで被災地に泊まる人は限られている。食事にしてもコンビニ利用が主流だったり、また被災地の特産品をお土産で買っていく人も少ない。それは当然である。被災地に来るまでの交通費は自前であるし、ボランティアの多くは経済的に余裕のあるとはいえない若者が中心なのだから仕方がない。

しかし、これから被災地支援に必要なものは直接的な経済支援である。それには観光“客”は欠かせない。数多くの人が被災地を訪れ、被災地の宿泊施設に泊まり、その場で特産品を買うなど、現地に直接お金を落としていってもらうことが、復旧復興に繋がっていくのである。

被災地の宿泊施設も徐々にではあるが復旧してきている。例えば釜石では観光“客”を受け入れできるであろう市内のホテルが年内にはほぼ平常稼働される。また、港そばにある最大の観光ホテルである陸中海岸グランドホテルにしても来春には再スタートを切るという。

このように100%にはまだまだほど遠いかもしれないが、現地の宿泊施設はあちらこちらで完全復旧しはじめている。そして、これまでこうしたホテルの宿泊客は工事関係者で占められてきたが、こうした状態も来年2〜3月までだろうと予測され、春の訪れと共に新たなる宿泊客になるであろう観光“客”の必要性が生じてくるのではないだろうか。

被災地観光に関しては疑問を抱く人も多い。しかし、年金生活者や高齢者のなかには自分たちは肉体的にボランティアはできないが、観光で訪れることによって直接経済活動に役立ってほしいと思う人もいるのである。そういう人たちが、被災地を訪れることによって、百聞は一見に如かず、ではないが、震災津波被害の甚大さを目の当たりにすることによって、オーナー制度参加や通信販売へ足がかりになるなど新たなる支援の輪が広がる可能性もある。

とにかく多くの観光“客”が被災地の姿を見ることは、被災地のあり方を少しでも多くの人と共有することになる。加えて、雇用促進につながり、人口流出を防ぐことにもなる。観光“客”は間違いなく被災地の復旧復興にプラスになるはずである。

被災地を訪れよう 〜被災地に観光“客”を〜
http://k21komatsu.blogspot.com/2011/11/blog-post_15.html

火曜日, 11月 22, 2011

節電努力=脱原発の実現に繋がる

今月も届いた「電気ご使用量のお知らせ」。このところ各企業が工場などでの電気使用量を減らす努力をするという報道がなされているが、この企業努力と家庭での節電努力が今後も進めば、間違いなく原発は必要でなくなるであろう。少なくとも東京電力管内は可能であるはずだ。

先月も書いたが、節電努力を継続していくという人は少なく見積もっても7〜8割の人、つまり4人に3人は存在するのである。こうした人々の努力の結晶がいずれ脱原発の実現に繋がるはずである。

ということで、毎月同じことを書いているのは気がひけるが、こうした節電努力=脱原発の実現のためにも今月(11月分)の自らの節電努力を記しておきたい。

       昨年11月分(29日間)今年11月分(10/18〜11/16の30日間)
自宅(60A)     354kwh     274kwh   22%減
深夜電力(4kw)   239kwh     267kwh   
仕事場(20A)     64kwh      32kwh   50%減
合計          657kwh     573kwh   13%減

今回はトータルで13%減という結果に終わってしまったが、今後も前年比15〜20%減を目標に節電努力にガンパっていきたい。

こんな話を書いて「お笑い草だね」と思う人がいるかもしれないが、企業および家庭の節電努力によって、確実に東京電力管内の電気使用量は減っている。このままいけば柏崎原発を使用しなくても(火力発電所の増設は必要になるだろうが)、十二分にやっていけると信じる。

日曜日, 11月 20, 2011

義援金よりも寄付金(支援金)が必要だと思う

日本赤十字の義援金の流れが少々不鮮明だ。

赤十字のホームページhttp://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00002096.htmlによると、赤十字が各県の「義援金配分委員会」へ送った金額は約3,048億円(11月15日現在)。各県の「義援金配分委員会」がそれぞれの市町村へ送った金額が2,747億円(11月4日現在)。そして、各市町村が被災者へ渡した金額は2,481億円(11月4日現在)。時間的ズレがあるにせよ、被災者のもとにまだ567億円が届いていない。

各市町村とも職員の数が足りなかったり、被災者が移転していたり、義援金を受け取りにこなかったりと、義援金の配布が滞りがちなのは解る。しかし、できれば年内にちゃんと届くようにしてもらいたい。そして、赤十字および「義援金配分委員会」は、不明なお金が絶対に発生しないようにしっかりと注視してもらいたい。

一方で、日本赤十字はこうした手間のかかる各家庭に配布する義援金の募集を止めて、被災地の自治体が自由に使える支援金(寄付金)の募集を行うべきではないだろうか。

義援金だけでなく寄付金も送ろう
http://k21komatsu.blogspot.com/2011/04/blog-post_26.html

土曜日, 11月 19, 2011

新・土曜日はいつも雨

4年前にも同じことを書いているが、土曜日になると東京は雨が降ることが多い。不思議でならない。1週間に1回ぐらい雨が降ることは、人間の営みにとっては必要不可欠なものであるから良いことなのだが、こうも毎週土曜日に降ると経済的にも影響が出るのではないかと心配になる。

土曜日はスポーツイベントが数多く開かれる。プロ野球やJリーグの試合、ラグビーのトップリーグや大学の試合、JRA(中央競馬)などなど。こうした試合は屋外で行われるプロ野球の試合以外は、雨でも開催される。しかし、雨が降ると観客動員は愕然と落ちる。

同じように屋内のイベント、演劇やコンサートにしても、雨が降ると観客動員は1割から1割5分ぐらいは減ってしまう。このようにスポーツや娯楽産業には雨は痛手である。そして、レストランなどの飲食産業、旅館やホテルなどの観光産業も同様であろう。

人はやはり雨が降ると外出したくなくなる。それは仕方がない。しかし、このことが日本の経済活動を下げているようでならない。とにかく土曜日に雨が降るサイクルをなんとかしなければならない。月曜日に雨が降ると、仕事をすることに影響が出そうなので、雨は週の半ばである水曜か木曜あたりに降るのが一番望ましいかもしれない。おてんと様、よろしくご検討のほどお願いします。

土曜日はいつも雨
http://k21komatsu.blogspot.com/2007/04/blog-post_14.html

金曜日, 11月 18, 2011

堤防が高ければいいという問題ではない

今回の三陸(釜石市、大槌町、山田町)訪問では多くの人と話をする機会があったが、そのなかでもっとも話題になったのが今後作られる海岸堤防(防波堤)の高さ。

これは地域や集落によっても違うが、今後三陸のほとんどのところで高さ10メートル以上の堤防が作られる。しかし、その堤防の高さに疑問を抱いている人が意外に多かった。例えば、大槌町では14.5メートルの防波堤の建設が予定されている(町はもっと高い防波堤を要望している)。これだけ高い防波堤を作れば、ある程度津波の被害を防げると思う。しかし、これだけ高い防波堤を作ると、町から海を望むことはできなくなる。こうなると、海に慣れ親しむこともなくなるだろうし、また海は危険なものであるという意識も希薄になる可能性が高い。

先日、陸前高田では今回の津波が到達したところに桜の木を植えて、記憶だけでなく記録として津波の恐さを伝承していくことを行った。同じように他の自治体も今回の津波の記録をなんらかの形で残すべきであろう。それは震災資料館もしくはメモリアルなどのような形でもいいが、もっと普段から人目に触れるような形で残すべきではないだろうか。例えば、防波堤のそばに今回の記録や教訓をレリーフにしておくとか、津波が到達した地点に何か目立つものを設置するとかするべきである。また、避難経路に関しても、大きく解りやすい誘導標識の設置が望まれる。

いずれにしろ、堤防が高ければいいという問題ではないようだ。

水曜日, 11月 16, 2011

東北へ行こう 〜東北応援パス〜

JR東日本は東京-新青森駅間の「東北新幹線全線開業1周年」を記念して、12月の土曜・休日の連続する2日間に限り、JR東日本全線および、青い森鉄道、いわて銀河鉄道、北越急行、伊豆急行の各線の普通車自由席が乗り降り自由という「東北応援パス」を発売している。

値段は大人が9,500円、子供が4,000円で、これとは別に特急券を買えば新幹線や特急も利用できる。この「東北応援パス」は従来の「ウイークエンドパス」を拡張したもので、これによって岩手県、秋田県、青森県などへかなり安く行けるようになる。

例えば、東京〜新青森間を往復した場合、「東北応援パス」と新幹線特急券の組み合わせると、平日より8,260円安くなるという。また、先日私が訪れた釜石にしても5,000円以上は安くなると思われる。

できれば、こうした「東北応援パス」は12月だけに限ることなく、来年3月や4月にも行ってもらいたい。そうすれば、観光客だけでなくボランティアの人も使いやすくなるだろうし、私がテーマにしている被災地への観光“客”も増えると期待できる。一方で、被災地の人もこのパスを使えば、少し息抜きのために東京や関東に住む親戚のところに行きやすくなるのではないだろうか。また、「大人の休日倶楽部」では4日間乗り放題のパスを是非とも発行してほしい。そして、同様のパスをJR各社にも広まれば、東北の復興が少しでも早くなるに違いない。

ちなみに、このチケットの購入は利用日の1カ月前から当日までで、販売場所はJR東日本のみどりの窓口とびゅうプラザや主な旅行会社にて。

JR東日本:おトクなきっぷ「東北応援パス」
http://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=1785

火曜日, 11月 15, 2011

被災地を訪れよう 〜被災地に観光“客”を〜

物見遊山で被災地を訪れてはいけない、とよく言う。しかし、私はそれでももう良いのではないかと思っている。なぜならば、訪れてみれば解る。自分が物見遊山で来たことの愚かさを知るからだ。

被災地は見せ物ではない。観光地でもない。でも、瓦礫の山や野原と化してしまった光景を目の当たりにすれば誰もが解る。そこには人間の営みがあったこと。命の息吹があったこと。そして、今でもそこに暮らす人々がいて、復旧復興への絶え間ない努力をしていることを。

観光“客”が来ることにはいろいろな意見がある。しかし、私は“観光”は復興への大きな足がかりとなると思っている。ボランティア活動も大切だ。ただ、ボランティアは若い人が多いせいもあったりするために、正直地元にあまり多くのお金が落ちない。また、宿泊所も直接の被災地から離れている場合が多い。

しかし、観光“客”は被災地にお金を落としていってくれる。魚市場やショッピングセンターで買い物をする。ホテルにも泊まってくれる。つまり、こうしたお金を落とすことが雇用を生むことになり、被災地からの人の流出を防いでいくことにもなる。

復興への過程はいろいろあると思う。場所によっては解体作業やボランティア活動の手を離れて、プロの建設業者による工事、ファンドなどによる経済支援などへと徐々に移っている。そして、私は観光“客”の誘致も欠かせないと思う。いろいろな人が被災地を直接訪れることは、経済の活性化になると共に人々の心の活性化にもなるからだ。

12月から2月までの三陸から宮城沖は寒いために観光には向いていないが、3月以降になれば穏やかな天候になるので、被災地まで足を伸ばしてほしいと思う。そのために、旅行会社はそうしたツアーを積極的に企画していってほしい。被災地に泊まることができない場合、花巻温泉などの温泉地や遠野などの観光地をベースにしたツアーでも構わない。是非とも数多くいろいろなプランを立案してもらいたい。一方、被災地側も観光客を受け入れられるような施設である宿泊施設、魚市場、復興食堂、ショッピングモールなどの再建を急ぐべきである。

復旧復興のための道程はまだまだ長く遠い。それでも、多くの人が一歩一歩いろいろな形で支援していると思う。私は「被災地に観光“客”を」テーマに自分なりに支援を続けていこうと思っている。

さんりく観光情報
http://www.iwatetabi-sanriku.jp/

木曜日, 11月 10, 2011

品のない応援団同士の日本シリーズ

福岡ソフトバンクホークス・ファンおよび中日ドラゴンズ・ファンには申し訳ないが、今度の日本シリーズは観ないことにしました。その理由は両チームの品のない応援団にあります。

この両チームの応援団は相手から1つアウトをとるたびに、下品極まりない♬テンケテンのスッテテン♬というアウトコールをラッパで長々と鳴らします。これは明らかに応援ではなく侮辱行為であり、彼らは応援団ではなく侮辱団です。そして、これらのラッパは球場の雰囲気は悪くするのはもちろんのこと、試合を遅らせている要因にもなっています。こうした行為をいつまでも放置している球団およびオーナーはお馬鹿さんです。

それゆえに、こんなチーム同士の日本シリーズは観ないことにします。ちなみに、勝敗予想は4勝1敗でホークスです。一応パリーグ・ファンなもので。

水曜日, 11月 02, 2011

11月は季節商戦の穴場かも!?

毎週火曜日は、母親が通っている自由が丘の東急ストア4階にあるカルチャースクール(お絵描き教室)にお供している。といっても、タクシーで一緒に行くだけで、そのあとは適当に時間をつぶして、帰ってくるだけなのだが。

で、昨日、その東急ストアに行って驚いた。入口にはすでにクリスマス・デコレーションが、店内のBGMは『ジングルベル』なのである。ハロウィーンが終わったからといって、もうクリスマスかいと思わずツッコミを入れたくなった。昨日などは気温は20℃を越えていていて、雪模様した飾りが可笑しくてならなかった。

普通ならば、ここで終わる日記なのだが、ちと考えてみた。

日本の季節商戦というのは面白い。1月は正月と成人式、2月はバレンタインデー、3月はひな祭りとホワイトデー、4月は入学、5月は端午の節句。そして、秋になると10月はハロウィーン、12月はクリスマスと移っていく。つまり、11月は空白月なのである。アメリカでは感謝祭があるが、これが日本に根付くことはありえない。

ということで、11月になにか季節商戦のイベントということで、ボージョレーヌーボーが台頭してきているが、私のようにお酒に興味があっても「ぶどうジュース」に興味がない人間からすると、クソくらえである。そこで、11月にはもっと違った季節商戦ができるのではないだろうか。大手広告代理店のみなさん、何か考えてみてくださ〜い。(笑)

火曜日, 11月 01, 2011

路上靴磨き屋さんは何人残っているのだろうか

先日、渋谷を歩いていたら靴磨きのおじさんを見かけた。場所は東急東横店の西側、マークシティへの横断歩道脇。そのとき、私はバックスキンの靴を履いていたので、靴磨きを頼むことはできなかったが、値段は1回500円と書かれていた。

日本で路上靴磨きが始まったのはいつ頃からなのか全く知らないが、路上に靴磨きが氾濫するようになったのは間違いなく戦後のことであろう。戦災で浮浪児となった少年たちが進駐軍相手の靴磨きをするようになってからだ。いわゆる「シューシャインボーイ」である。私も子供の頃、路上ではないが玄関先で父親の靴磨きをしてお小遣いをもらった経験がある。

この靴磨き、日本をはじめアジア諸国では少年が路上で行う仕事のようなイメージがあるが、これがアメリカにいくと、年配のおじさんたちがバス・ターミナルや大きなビルの一角で楽しそうに仕事をしていたりする。なかには、美声を披露しながら靴磨きをする人も見たことがある。

今日では靴が合成皮革のものになったり、家庭でも簡単に靴磨きできるスポンジがあったりと、革靴に歯ブラシでワックスを塗って、ボロ布で磨くという時代ではなくなってしまった。日本においても今日ではミスター・ミニットなど靴修理店の一部が靴磨きを行うが、路上での靴磨きをする人は、東京にいったい何人いるのだろうか。今度、見かけたときは是非とも靴磨きをお願いしたい。